ゆかりちゃんマンハウス

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冷房とクワガタと引き落とし 2023/06/30日記

2023/06/30

 

 1カ月がまた終わる。金曜日。6月が終わる。一年が折り返す。夏へかなり近づく。

 

 先日、今年「初」冷房をつけた。【さーせん、つけさせていただきやしたッ...…】という心意気である。実家暮らし、留年生の実質の穀潰しなので「エアコンつけていいですか」と、一応の許可を親にとる。抜け駆けではないという助かりたさか、電気代かけてすみませんという後ろめたさか。結論を述べると、どっちだって構わないぐらい明らかに、私がパイオニアになった。翌日帰宅すると、リビングのエアコンが解禁されていたから。

 

 これはあるあるだと思う。「エアコンをつけた部屋に入る前、足だけドアの下の隙間に沿わせ、一縷の【冷】を噛みしめる」。この瞬間を毎年重ねる、それが夏の幕開けとなる。思い返すと小さい頃、夏に寝室に親がエアコンを掛ける→冷えてから寝に行く、ということをしていた。ここで部屋の「冷え具合」を確かめるマイスターごっこをしていたことが、原体験だと思う。廊下に滞留する気だるい熱気をまとった身体が、冷気を足の親指あたりから鋭敏に捉える。「最高」の先取りをする。ここでダメなら寝るのは少し先になる。リビングに引き返すことも検討する。

 

 ここではぬるい部屋で寝たくないという意味だが、「怪我したくない」「嫌な気持ちになりたくない」という潜在意識が染みついた確認行為だとも、今では言えてしまう。どうとでも言える、大体のこと。

 

 

 先日、クワガタを拾った。

家の少し前の壁にひっついていた。ノコギリクワガタである。水牛型のオス。サイズによってあごの形状が変わるのがこの種類の特徴で、あごが湾曲しているのを「水牛型」と呼ぶ。このサイズならギリギリのラインで水牛の合格判定が出たのだろう、一般的なものよりも小さい。これより更に小さいと、あごが真っ直ぐに伸びた「直歯型」になる。それはそれでかっこいいが、やはり大きいものに惹かれる気持ちに嘘はつけない。

 

 せっかく拾ったので、しばらく玄関で様子をみる。

 いや、 

 

 お前のことが気になって仕方がない。

 

 2時間に1回はつい虫カゴを見てしまう。

 

 せっかくなので名前を考えてみる。今まで、あまりペット等に名付けることをしてこなかったが。

 

 決めました。

 

「インターハイ敗退」です。このクワガタの名前は。

 

 ギリギリセーフな水牛サイズ、あと少し小さければ直歯というギリライン。まるで地区予選は突破したものの全国で通用するレベルではなかった奴。そういう意味を込めて。それでも戦う姿勢を捨てないこいつと、今年はクワガタバトルで日本一になる────────

 

 

 今日の話をしていない。今日は国民健康保険とかいう、大日本チャンネルのメンバーシップ料が引き落とされていた。ずっと月始めだと思っていたから割とびっくりした。バイトに入れな過ぎて、トントンだからもう、本を読むとか虫を見るとか、絵を描くとか日記を書くとか、とにかくお金のかからない時間の潰し方ばかりしている。これはこれで辛い。なにがって、心理的余裕は金銭的余裕と直結しているからだよ。

 

 この活動が一円にもならないのは知っているが、だからといってお金に余裕ができるようにバイトを増やして社会にコミットするほうがしんどい。ほんと怖いんだよ。社会的に使い分けるお面の枚数をそんなに持ってないから...…別に嫌じゃないことや人でも、夢に出てきて脳みそを圧迫されることがたまにある。それで嫌になる。人間そのものというより、ただ「関係」が増えるのが嫌。ヘマしたときのダメージ、裏切ったと思われるかもしれないことが増えるのが怖くて怖くて。

 

 またなにか言い出したなめんどくせぇダリーなと思えよ、なぁ。え!?ほら、得意だろ、なぁ。

 

 みんなそうなりながら頑張ってんだよ甘えんなと思ってるんだろ。正しい!!!!!それ、正しい!!!!!!でも、ちょっとだけかもしれないけど、「振れ幅」があるのかもしれない。俺の方が。だから定期的に、「この世も捨てたもんじゃないな」「まだこの世界を愛することができる」って、思わないといられない。そして思わせてくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!そしたら俺も信じれるかもしれん、しれん。