ゆかりちゃんマンハウス

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-俺の来なかった青春は40年後ゲートボール場にて-2023/04/24日記

2023/04/24

 

 また月曜日。留年編も3週間目に突入。ここまでを冷静に振り返ると、案外やりやすいことに気付いた。なにせ、誰一人として自分のことを知らない人しか周囲にいないからである。要は何をやっていても、「元からそういう人」としか思われない気楽さがあるのだ。だから今年1年は、自分で描いた絵をプリントした服だけを着て大学へ行こうと決めている。今はせめて、誰かの「そういう人」になりたい。それも今日で3週間目。

 

 だからGUで買った無地のパーカーやセーターは捨てた。あんなものを着ていたと思うとゲロを吐きそうになる。他人の目を気にして、あくまで「無個性」であろうとした。そのくせ、ロン毛だった時期もあり。「自分で選んでこれを着ているんだ」と思っていたが、結局は着せられていた。社会に。

 

 そもそも、GUユニクロに売っている無地の服を着て、あたかも大学生「っぽい」見た目にカモフラージュしたところで無意識レベルでそういう服を、ごく自然に手に取っている奴に届くはずがない。かなうはずもない。

 

 脱線するが、「服を選ぶ」という行為は自我の露見そのものだと思う。小中学校までは、大半の人が親の選んだ服を着ざるを得ない。その親のチョイスがもう、ずっっと嫌だった。両親は英字、和柄、その他もろもろの服を買ってきた。髪型もバリカンで豪快に剃られて。普通に要望を言えばよかったのかもしれないが、「こうしたい」という選択の余地がなかった。少なくともそう思っていた。だから、「不正解」を強制的に選ばされているような気がずっとしていた。ファッションセンスも2009年から一向にアップデートされず、小4ぐらいから自分の身につけているもの全てに自信を持てなかった。私の彫刻刀だけ、紙箱に入っている木製。他の奴らの彫刻刀にはケガ防止のガードが付いているし、ガシャンってフタが開閉するのに。そのくせ指切って、保健室に行ってたアイツはろくでなしだっただろうか。今もそうか?違うだろ。なんでですか。そんなこんなでどう見ても、自分以外のもののほうがよく見えた。

 

 つい去年まで無個性であろうとしたのも、これらを「恥」と認定してきた蓄積による、恐怖からの逃避だったのか?普通の格好をして、ありもしないワンチャンを狙おうとしていたのか。分からん分からん分からん。これは多分、あと6年後に分かることであって。

 

 今着ている服はほんとうに気に入っている。今は。自分で選んでいるから?

 未だに服に関して話しかけられたことはないのは「あえて」だろうが。どうせよ。気つかってるつもりか?え?違うか。そもそも話しかけないから見てもないからでしょう。誰も私のことを。でも、せめてものアピールくらいはさ、させてや。別に性器がプリントされてるわけやないんやからさ。無個性に性欲を忍ばせてるテメエらのがキショイとおもうで。

 

 今日の話をまだ一個もしていない。今日から、大学の最寄り駅から大学まで徒歩で行くことにした。距離にして5キロないぐらい。時間にしてぴったり1時間かかる。理由は「お金がやばいから」である。ここ2カ月、プー太郎で貯金を削ってきた。ついにヤバくなったので、一日のバス代500円を払うのが嫌になってきた。だって平日毎日通うから、2週間で5000円、1月で1万円になるんだよバス代。嫌すぎる。

 

 入学時からもう、40円ぐらい高くなってやがる。学生が主な顧客であるのに、学生を苦しめやがって。ボイコットでもあるかも。行政への。

 

 というか、地元じゃないから愛も何もない。ここは徹底的にお金を落とさない方針でこれから1年いくのもアリかもしれない。タモリみうらじゅんも、共通して「徹底的に」ということを言っていた。そうするほうが面白くなるらしい。前の学期に大学へ一回しか行かなかったが、面白かっただろうか。そう思わないといけないという意識は働いていないか。

 

 1時間歩く。河川敷に沿って。先週まで乗っていたバスは、たぶん4本は私を通り過ぎていった。めちゃくちゃフナの死骸が浮いている。知らなかった。早朝からジジイババアがゲートボールをしてやがる。知らなかった。ゲートボールって丁度良いエンターテインメントだなぁと思った。まず疲れない。加えて、テクニックをメインで勝負できる。汗をかかずに楽しいことをしたい俺向けすぎる。やりたい。本来こういうスポーツだけが流行すべきなのかもしれない。サッカー、野球、テニス、その他スポーツを滅ぼそう。ゲートボールならフィジカルで戦わない。きわめて平等だ。未来、老いたら、ゲートボールでそいつらを負かしたい。そして訪れなかった青春を取り戻すんだ。悔し涙浮かべてくれ。

 

 授業。特筆すべきことも起きず。今のところ、課題を1つとして出し忘れていない。これはマジで自分史上初である。課題を出すのは普通だろと思った貴方は死んでください。自慢じゃないけど、自慢じゃないけど私は3回生の頃に借りた本を数カ月前やっと返却した。実に1年と6カ月にわたる延滞だ。大学では延滞した期間の分、借りれないというルールがある。だから今年は本を借りれない。

 

 何が良いたいかというと、爆裂に期限を守れないのだ。自分のせいで他人が被る迷惑や負担について考えられないのか?自分でも嫌になる。自分でもなぜ平気でこういうとこをするのか分からない。いや、多分、所属意識の低さが起因しているのではという脳内博士の学説が、脳内学会にて発表されている。

 

 とはいえ人としてかなり大事なマテリアルが確実に欠損しているのだろう。でも自覚はあるがどうしようもできる気がしない。というか罪悪感や責任感がなけりゃ自覚しても意味ない。みんなどうしてるんだ。

 

 

 帰りも1時間歩く。フナの死骸を写真に収めながら歩いた。

トンビに捕縛されたのか、そもそも死んでいたのか。どれも目玉をくり抜かれて、ウロコと肉片がホヤホヤと漂っている。

分解者も寄り付かず、流れの弱い場所にせき止められている魚骸(うおむくろ)。

 

 なぁ……せめて俺たちだけでも、こいつらのこと覚えておいてやらねぇか?