ゆかりちゃんマンハウス

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-「読破」しない美しき気概-2023/05/09日記

 

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 ギリギリまで寝てたせいで飛び起きて出発、お腹の調子が最悪なまま電車に乗るハメになった。便意とは違う痛みで火曜日は開幕から気分が良くない。たぶん屁が腸内で彷徨っているのだろうが、屁にも昇華できず。状況としては、さっきまで寝てたのに急に電車にワープさせられたのと同じだ。身体がまだ活動していないから、何もまだ口にしていないから腸がびっくりしすぎていて、ぜん動運動してくれていない。

 

 幸運なことに座れたので、睡眠の続きをとれた。数年前もわざわざ早い各駅停車に乗って、電車内で寝直すのをやっていたなぁと思いだす。眠たさはイコール怒りだ。この時は、「家に帰ったら絶対にすぐ寝たるからな...…真実-リアル-に。」という怒りで満ちているが、活動しているうちに身体は覚醒していくもので、帰宅したら大してその怒りは残っていない。なんと情けないことだ。怒りを風化させたくないのに。無理矢理怒り続けないと、私は「何か」を掴めない気がするから。

 

 腹痛なれどもケチさが勝つ。今日も1時間、歩いて大学へ行く。チャリという選択肢は存在しない。ヒョロガリの無筋肉(ヴォイドマッスル)だからちっさい頃から、チャリで上り坂を踏破できた試しがないからだ。友達の皆はなぜ平気な顔で上っていけるのかが不思議で、悔しくて、自分だけ食らいつくのだが「やっぱ無理!」ってなって途中で歩きに切り替える恥ずかしさといったらもう。今もたぶん坂道は上れない。だから歩くんです。あえて文明の利器へ逆行を。

 

 途中で休憩しちゃった。お腹いたすぎて。8時ごろ河川敷でしゃがんでお茶を飲んでいたのは私です。去年の自分なら、このまま1時間ぐらいスマホ弄ったあと帰っていたかもしれないが今は違う。

 

 授業の合間にトイレに行った。人感センサーが反応しなかった。暗い。自分がちゃんと生きているのかがちょっとだけ分からなくなった。幽霊でもセンサーが反応するのに?何が目に見えない恐怖だアホ。幽霊って絶対楽しいだろ。大学で一人で、一言もしゃべらないから、生きながらにして自己の存在証明を他人に委ねられない俺のほうが恐怖してるわ。と思っていたら、別の人が入ってくる音がして、明かりは点かなかった。電池切れみたいでした。なんだ~~~~びっくりさせんなよ~~~~~!

 

 便器の暖房が、温かいっす...…。

 

 大学に入ってからというのも、自分がアカデミックな存在ではないことを思い知る機会が多い。他の奴の発表、レポート、発言、思考が自分とは文明レベルで違うじゃないか。みんな本当に賢い。賢いは上から目線みたいでキモイから「凄い」だ。聡明さってどうやって入手できるんだよ。

 

 とりあえずもっと本を読んだ方がいいと思って、今日は授業終わりに帰らずに図書館に寄った。留年生の、大学に5年目の人間の発想じゃない。遅すぎる。自分で自分を本物のゴミだと思う。いま俺が死んだら、焼かれたら、有毒ガスとか出ちゃうんじゃないかな。普通に。

 

 とりあえず本屋と同じノリで、「背表紙でビッと来たものを読もう」と思って新書を眺めていた。マルコムX。これだ。義務教育期間ではマンデラの方をメインに学習した記憶がある。マルコムXは名前だけしか知らない。知りたい。ラッパーみたいな名前。TOKONA-Xみたいな。「あたしゃマルコムXだよ」(ちびまるこむXちゃん)ということを思いながら席について、読む。

 

www.iwanami.co.jp

 

 マンデラと比較すると過激派だった。白人社会に融和する(=参政権を手に入れる)ことを望んだのではなく、黒人の自立、つまりは白人社会との分離を目指した活動家だったらしい。驚きだが、義務教育で深く触れないのもなんというか、納得だ。

 しかもマルコムXの才能を開かせたのは新興イスラム教団だったらしい。この教団はアメリカ社会にて差別を受ける黒人の精神的支柱だったらしい。特に、教義がすごいからこのびっくりを共有させてください。

 

 「40兆年前に神は黒人をつくった。その黒い要素を科学力をもつユダヤ人が長い年月をかけて薄め、果てに白人が生まれた。つまり黒人こそ原初の存在であり、現在の白人社会は間違いである。(要約)」

 

 発想の飛躍や非科学性は宗教においては関係ないのは伝説や聖書も同じだから、尚更当時の社会的地位が低かった黒人の希望になったのだろう。というか、二次創作として優秀な発想じゃない?ゲームの触りか、終盤明かされる真実みたいで普通にワクワクしてしまった。既存の要素を組み替えて、全く新しいものを作る。この世には既存の組み合わせしか存在せず、我々はそれを「新しい」と感じているだけなのかもしれない。考えてみれば、現代アートとか本気の本気で新しいものは理解できない。既存のものしか理解できない。

 

 余裕で一冊読み切れると思っていたが、全然無理でした。80ページぐらい読んで疲れた。集中力なのか体力なのかは分からない。読書における「一日一冊」とかいうクソの目標は大嫌いだから本を閉じて、帰った。そういう目標や「あと〇ページ」という希望は、見せかけてただの雑念だから。それを意識した時点で読書は体験から作業になって、理解していないのに理解した気になって、目前のゴールに向けてページを進めるようになる。最悪の時間だ。「読破」という言葉が本当に嫌いだし、この言葉を使う奴は内容を理解していないだろ。絶対。「読んでる!今本を読んでるよ!アッ!読み終わった!見てみてみて~~~シコシコシコシコ」ってしてるくだらない奴だと思う。アバッキオがワイロを受け取ったせいで撃たれて殉職をた上司もこれを危惧していたんだと思う。

 

 あと一年あるから、とりあえずこの間に一日一冊読めるようにはなりたいという目標は自分もあるんだけども。